超合金魂の『最強ロボ ダイオージャ』です。
《エースレッダー・アオイダー・コバルター》の3体のロボットが合体し、
ダイオージャになるギミックが搭載されています。
アニメ放送当時でも、玩具上で3体のロボットが合体できるように
企画書の段階でダイオージャのデザイン・合体ギミックは考案されていました。
当時品の玩具では、完全変形合体の再現は物理的には可能でも、
製造技術的に再現が難しかったため、差し替え変形・合体程度に留まっていたようでした。
今回の超合金魂版では、アニメ放送時の玩具デザインの企画に沿った変形合体のプロセスを
継承・昇華する形で《完全変形合体を可能》とした玩具に仕上がっています。
その完成度は玩具の枠に留まらず、工業製品としてハイレベル。
まさしく超合金魂を代表するアイテムと言っても過言ではないでしょう。
変形合体ロボが好きなファンの方は、一度は手にとってもらいたいアイテムです。
まずはダイオージャ合体前の3体のロボットを紹介。
《エースレッダー》。合体時には、ダイオージャの頭部・胸部を構成するロボット。
水戸黄門をモチーフにした物語のダイオージャ。エースレッダーは主人公のミト王子が搭乗します。
玩具的には超合金魂スタンダードサイズ(マジンガーZクラス)の大きさで
エースレッダー単体でも結構なボリューム感。
玩具デザイン的には、3体のロボットの中で最もバランスの取れたプロポーション。
背中(ウイングパーツ内)にはダイオージャの冠パーツが収納されていますが、
角部分の一部が露出してしまってます。
首元の基部にダイオージャ用冠パーツのジョイントが独立して設けられており、
取り外すことで背面をスッキリとさせることができます。
また襟パーツも別の可動軸が設けられているので、
頭部の動きに干渉することの無いようになっています。
エースレッダーの胸部パーツは2種類。ダイオージャへの変形ギミック内臓タイプ【画像左】と、
エースレッダー用に小さめに造形されたタイプ【画像右】が
選択式で差し替え交換できます。
エースレッダー用の武器《エースサーベル》。
サーベルは鞘に収納することができ、鞘もエースレッダーの腰部分に接続可能。
刃とツバ、柄の部分は分割式。(ダイオージャ用武器ダイオージャジャベリンにする際に分割するため)
エースレッダーの親指のラチェット可動が若干、サーベルの柄をホールドしにくい可動になっているようでした。
アクション時には足首が引き出し式間接によって接地性能は高め。
3体のロボットの中では最も単体での可動域が設けられています。
《アオイダー》。合体時には、ダイオージャの腕部・腰部を構成するロボット。
ミト王子のお目付け役のスケさんが搭乗するロボット。
アオイダーは、ダイオージャの変形合体の要となるギミックが重点的に設けられ、
合体時にも負荷の殆どを集中して受ける構造のため、劇中イメージよりかは若干、太ましい印象。
それでも一目でスピードに特化したアオイダーというロボットのデザインと認識できる
ギミックとプロポーションを両立させるギリギリの玩具設計は見事。
足裏にはダイオージャの手首が収納されています。【画像左】
アオイダー単体時での見栄えを良くするための《ディテールアップパーツ》が接続できます。【画像右】
アオイダーの脚部は、ダイオージャ時には腕部を構成しています。
変形可動のため、通常だとアオイダーの股部分は安定感がないため、
《固定パーツ》を介すことで、シッカリとした股関節になります。
アオイダー用の武器《ビームガン》。
専用のホルスターを右腰に接続でき、ビームガンも収納できます。
《スピアアックス》
柄の部分は2分割。(ダイオージャ用武器ダイオージャジャベリンにする際に分割するため)
片手だと殆ど保持できず参りましたが、
アオイダー側に両手持ちできるほどの腕部可動はあったので良かったです。。
ダイオージャへの合体ギミックが3体の中で最も集中してしまったため、
可動箇所も見た目以上に繊細さがある設計となっていました。
単体での可動域では、アオイダーが一番アクションし辛くなってしまっていると思います。
また、肩部分の可動軸は合体時に最も負荷がかかりやすい箇所のため
大人の自分でも固い!と感じられるほどの力を要しました。
( ※ 後述しますが、ここの肩部分は後に破損してしまいました)
《コバルター》。合体時には、ダイオージャの脚部を構成するロボット。
カクさんが搭乗するロボット。基本どおり3番目の人はロボット同様大柄。。。
コバルターの足首はダイオージャ合体時のスペース確保で空洞になっており、
くるぶしには切込みがあったりと、本体に対し形状が小さめ。【画像左】
《ディティールアップパーツ》を取り付けして見栄えを良くできます。【画像右】
アオイダー用の武器《ハンマースティック》。と、《バックラー》。
ハンマースティックの柄は手首とのサイズが合っていないのか?少々持たせにくい感じ。
柄の部分は2分割。(ダイオージャ用武器ダイオージャジャベリンにする際に分割するため)
バックラーは裏面に設けられたグリップを直接つかんで持たせます。
コバルターも可動域は少なめ。
ダイオージャの脚部を構成するギミックの都合、仕方ないところかもしれませんけど。
武装の豊富さでポーズの表情付けには困らない感じです。
【クロストライアングル!】
ダイオージャへの合体準備の変形手順を。
まずはエースレッダーから。
エースレッダーの胸部を変形用のものに交換。
ウイングを取り外します。【画像左】
手首を下腕内部に収納。上腕部を縮めます。【画像右】
腕部ワキのカバーを開きます。【画像左】
腕部を胴体内部に収納。【画像右】
収納した腕部の位置はこのような状態に。
ふくらはぎのカバーを開いて足首を畳んで収納。【画像左】
股関節~モモの部位を縮めます。【画像右】
エースレッダー襟パーツを外側に展開。2重構造で広げます。
襟パーツはダイオージャの肩に。
背中に畳まれていた冠パーツを頭部に移動し後頭部に接続します。
脚部を背中に移動。
背中に設けられたジョイントで可動し、折りたたまれます。
エースレッダーの胸部の紋様パーツを回転。
エースレッダー用スペードマークの裏に、ダイオージャ用のマークがあります。
上記の胸部パーツを取り付けて、エースレッダー合体準備完了。
続いて、アオイダーを。
まず、ウイングを取り外し、襟元のパネルを引き起こします。
肩パーツの幅を広げ、腕部を縮め、手首を下腕に収納。
脚部を伸ばし、ヒザ・足首ブロックを移動。ダイオージャの手首・ヒジにあたる部分が露出します。【画像左】
(足裏ディティールアップパーツは取り外しておきます)
胸部の紋様のブロックを前面に倒して、紋様が内側に来るように回転させます。
紋様ブロックの上面のパーツを引き出します。【画像右】
アオイダーの脚部を下方に引き出します。
(股関節固定パーツは取り外しておきます)
この引き出し機構は、胸部の紋様ブロックがロックパーツになっています。
腕部を上面に起こします。
アオイダーの腕部は、ダイオージャにおける股関節となります。
腰部分のパネル引き起こし、パネルを180度回転させて《青→赤》にします。
エースレッダーとの合体時に色を合わせるための変形です。
アオイダーの脚部を左右に広げ、紋様のブロックを倒して再びロック。
アオイダー合体準備完了。
最後にコバルターの変形を。
首の基部を横に開きます。(首の基部が左右分割のロックになっているため)
ウイングを取り外し、
胸部・腰部に接続してある凸凹ジョイントを外し、本体を左右分割します。
まずは右半身の変形から。
断面部分内側にあるフタを開き、分割された紋様を180度回転。【画像左】
頭部を内部に回転させて収納します。【画像中】
フタを閉じます。【画像右】
左半身の変形も、右半身と同じ手順で紋様を回転。
両足首。つま先を閉じます。
(足裏ディティールアップパーツは取り外しておきます)
腕部を縮め、手首ブロックを可動させて内側に傾けます。【画像左】
腰ブロック。ヒンジ接続のパーツを起こし下方に移動。【画像右】
腰ブロックを移動させた箇所に空洞が出来るので、腕部の手首を空洞内に収納させます。
コバルターの肩パーツからパネル展開。
コバルターの胸部は、ダイオージャの足首となるため、パネル移動でコバルターの肩の空洞を面一に。
変形課程を終えたコバルターを転地逆にして、変形準備完了。
ダイオージャへの合体工程を。
エースレッダーのウイングを取り外し、左右逆に取り付け。
まずコバルターのウイングを取り外し、尾翼のブロックを180度回転。尾翼を収納。
左から、コバルター・アオイダー・エースレッダーの順で各ウイングを合体させます。
ダイオージャのウイング完成。
アオイダーの腕部を、コバルターの脚部足裏の空洞に接続。
(接続したときにコバルター側でロックがかかります。外すときはロックボタンを押して分離します)
アオイダーとエースレッダーの胸部同士を合体。
エースレッダーの脚部ブロックにウイングを取り付け・・・・
ダイオージャ合体完了。
プロポーションやボリュームなど随所にアンバランス感があり、決して完璧というほどではないものの、
基本仕様で変形合体時に《余剰パーツが一切発生しない》というのは驚き。
また、複雑かつ、劇中さながらの変形パターンをほぼ忠実に再現しつつ、
変形合体玩具にありがちな必要以上の作業手順が無いことは非常に高評価だと思います。
側面から見ると、背中に畳まれたエースレッダーの脚部ブロックの厚みと
ふくらはぎ部分の平面が気になります。
しかしながら、これは3体のロボットが本当に変形合体が可能か検証するために書き起こされた
アニメ企画時の玩具デザインそのものをほぼ忠実に再現していることに注目したいところ。
付属のディティールアップパーツ(外装)を装着することで、
更に立体感を増したダイオージャにすることもできるようになっています。
基本状態の肩部分(赤色・銀色箇所)【画像左】の上から、
ディティールアップパーツを取り付けボリュームアップ【画像右】
脚部(スネ・ふくらはぎ・足首)にディティールアップパーツを取り付け。
ジョイント部分を隠したり、色を整える役割もあって、ほぼ全面を覆うようになります。
(比較に右足のみ取り付けています)
また、脚部のディティールアップパーツは若干、外れやすいこともあります。
エースレッダーの脚部ブロックを取り外して、ウイングを背中に直に取り付けます。
コバルターの足首を取り外す【画像左】ことで、
ダイオージャ時の股関節の可動範囲が広がるようになっています。
股関節の可動軸を担っているアオイダーの腕部部分ですが
ここは相当な負荷がかかる部位で、可動も硬く締められています。
結構慎重に取り扱っていたつもりですが、遊んでいるうちに軸が疲労でちぎれてしまいました。【画像右】
破損部を見ると、2ミリの金属軸一本で全重量を支えているようなので
取り扱いには相当注意したほうがよろしいかと思います。
ディティールアップ版ダイオージャ。
基本仕様では細くなっていた肩・脚部もディティールアップパーツの使用で
プロポーション・ボリュームのバランスも整って、重量感を感じられる様になりました。
80年代前期風なヒーローロボット然とした雰囲気が強調されて、ハッキリ言ってカッコいいです。
また、背中のエースレッダーの脚部を取り外したことで、接地性も良くなっています。
ダイオージャ用の各オプションパーツ、武器などを。
フェイス部は交換パーツで開口した表情にすることができます。【画像右】
交換手首は《可動指・握りこぶし・武器持ち手・平手》の4種。
可動指は5本とも指が動きます。
武器の《電光雷鳴剣》。
刃のパーツはメッキ処理。ダイオージャのサイズもあってか、剣そのものもかなりの大きさです。
武器持ち手でしっかりと柄を持つことができています。
刃の厚みもあって、分割線がメッキの光沢で目立ちますがしょうがないところかも。
《ダイオージャシールド》。ダイオージャの胸部パーツがシールドになったもの。
シールドそのものは胸部のパーツとは別パーツになっていて、大きさも増した造形のものとなっています。
シールドを使うときはダイオージャの胸部パーツを取り外しておきます。
外した内部にはディティールが施されています。
シールドは裏面に手持ち用のグリップが装着されています。【画像左】
また、グリップを外して、別パーツのジョイントに差し替えることで、ヒジ部分に装着する仕様にもできます。【画像右】
シールド裏面に電光雷鳴剣をセットするジョイントが内蔵されています。【画像左】
電光雷鳴剣の刃と柄を分解して、柄をシールドに接続します。【画像右】
このギミックで電光雷鳴剣の抜刀シーンの再現が可能になっています。
サイズも大き目ということで、剣と盾を構えた風格が素晴らしい。
胸部パーツを取り外した部分のジョイント穴が露出してしまっているので、
カバーパーツがあっても良かった気もしますね。
アオイダーの変形ギミック(伸縮機構)がそのまま活かせるので、
電光雷鳴剣の両手持ちも楽にこなせるので、必殺技の再現ができてありがたいところです。
《ダイオージャビームボウガン》
弓の部分【画像左】の接続穴に、ビームの矢をセットできます。【画像右】
こちらもアオイダーの腕部変形ギミックを活かして、弓を射るポーズができるようになっています。
《ダイオージャグラップ》。2本付属しています。刃の部分はメッキ処理です。
《ダイオージャジャベリン》。
エースサーベル・スピアアックス・ハンマースティックの柄の部品を取り外して
それぞれを連結した武器です。
武器の持ち手で掴むときは、分割した柄の部分を手に差し込んでから、
連結していったほうが持たせやすいです。
超合金魂おなじみのディスプレイベース。今回のダイオージャ用では
《ディスプレイベース⇔家紋がモールドされたパネル》に変形するといった
遊び心あふれたパーツとなっていました。
ダイオージャと並べると流石に小さいとは思うものの、飾り方によっては雰囲気が非常に増すので面白い。
個人的には普段、滅多に使わないディスプレイベースもこういったアイディアパーツだと
日の目が当たって良いです(笑)
中央部分で折りたたみ、「ダイオージャ」と刻印されたプレートの位置を差し替えると
武器などを飾れるディスプレイベースになります。
付属品をディスプレイした状態。
全ての付属品を収納展示できるようになっていますが、ダイオージャのディティールアップ時に
余剰パーツ扱いになるエースレッダーの脚部ブロックは収納できません。
まぁ、ここは欠点に数える必要はないかも。。。
今回のダイオージャは、僕が今まで触れた変形合体仕様の超合金玩具のなかでも
ずば抜けて満足感の高いアイテムに感じました。
このような大型玩具は展示スペースの確保が難しくて、遊んだ後は箱に収納してしまうのですが
ダイオージャだけは1年以上展示スペースの1軍として飾っていて、
手持ち無沙汰のときに遊んでしまっています。
今回、付属しなくて残念だったのが、3体ロボットのパワーアップメカの《クロスエイダー》。
商品化の予定は全くなさそうですが、これだけ完成度の高いダイオージャなのだから
プレイバリューを増やして、まだまだ遊びたい!!という欲求が出てきてしまいます。
いままでの超合金魂の技術の蓄積があったからこそ再現できたギミックなど見所は満載。
懐メカ枠ということで商品化の機会もそう滅多には無さそうなダイオージャ。
今回の超合金魂は、その決定版とも言えるアイテムになっていますよ。